- なぜ親の母国語が子供に継承されないのか?
- そもそも子供にとってのメリットとデメリットは何なのか?
バイリンガル教育に全く無知だった留学生時代。
「親が日本人なのに子供が全く日本語ができない」という悩みを持つ親御さんの多さにシンプルに驚き、
「そうか、海外では例え両親が日本人でも日本語がしゃべれるようになるとは限らないんだ」と大きな衝撃を受けました。
「海外で暮らす子供の日本語教育は親が環境を整えてあげないといけない」
当時の私の心に深く残りました。
あれから15年経ち、現在娘2人と日本語教育を頑張っています。
帰国中はお友達や先生方に「本当にカナダに住んでいますか?」と言ってもらえるくらい「日本人が話す日本語」を流ちょうに話せていると思います。

コロナが落ち着けば、上の子は漢字検定を受ける予定でいます。
私自身「教育ママ」ではありませんし、「育児書を読み漁った」なんてこともありません。
ただ経験上、カウンセラーとして日本人・日本以外の国の生徒さんのレベル別における「言語取得の難しさ・コツ」の相談にのってきた経験から
「生徒さんにアドバイスしてきたことをそのまま日本語に置き換えればいいんじゃないか」
という発想で今も日本語教育に取り組んでいます。
これは私個人がいいと思って取り組んでいる事であり、何かの教育方針に従ってる訳ではなく学説的根拠はありませんのでご了承ください。
この記事を読めば年齢別で私が行った日本語教育そしてその成果・注意点が分かります。
人により育てる環境は違い「できる事とできない事」に差が出てきますが、基本的な事を抑えればある年齢までは日本語教育を継続できると考えています。
そして小さいうちから日本語を「身近なもの」として意識づける事が今後の勉強に大きくかかわってくることになります。
なぜ専門家は書かない?
知っておくべき1番大事な事って?

他の方があまり触れておらず、しかし私が一番大切・成功の秘訣だと感じるのは
パートナーに疎外感を与えず同じ方向を向いて家族で日本語教育に取り組む事
パートナーが日本語ができる・できないは関係ありません。
「母親のぶれない日本語教育がいかに大切か」「どうすればバイリンガル教育が成功するのか」について書かれた本はたくさんありますが、パートナーに触れている事は少ないです。
しかし同じ家族である彼・彼女の協力なしで日本語教育は成り立たちません。
産まれてから現在まで徹底している事
私(母親)とは日本語で会話
独身時代、言語について講義を受ける機会が何度かありましたがバイリンガル教育に関しては「母親は絶対に英語を話してはならない」が共通でした。「父親が片言の日本語で話しかけるのもNO」
要するに「母国語で子供に話しかけなさい」という事。
下記を徹底しています。
- 子供との会話は日本語
- 義理両親・家族・友人で集まる時も、自分の子供には日本語で話しかける
- 他の子供には英語で話しても、徹底して自分の子供には日本語でしか話さない(←ここがぶれると子供は訳がわからなくなります)
子供の脳っておもしろいです。「ママとは日本語でお話しようね」と当時よく言っていましたが、もちろん子供以外の人との会話は英語です。
スーパーや他のママさんとの会話。私の英語を普段から聞いているはずなのに「自分達は英語で話しかけられたことがない」からか、幼稚園に入学した時先生と話してるのを見て「え!ママ英語話せるじゃん」と驚いていました。
しかし毎日の積み重ねなので今更英語で話しかけてきたりしません。
周りの環境はさておき「自分は母親から英語で話しかけられたことがない」感覚は思っている以上に大切なのかもしれません。

「ママに英語で話しかけるなんてなんか変」という感覚があればまずはOK
今年のオンライン授業で「母の日のメッセージ」をいくつか書く課題でも「私のママ日本人だから日本語書くべきだと思う。日本語で提出してもいい?」と先生に聞いており何だか笑ってしまいました。
娘の中で「ママ=日本語」が染みついています。そしてそれは「妹」に対しても同じです。ご兄弟がいるならば特に上の子で徹底していると下の子達にも馴染みやすいです。
予想される問題点
上記でも書きましたがしっかり話し合いをしておかないと、パートナーの方が「自分の知らない言語でコミュニケーションを取る」という事に抵抗を示し始めます。
できるならば妊娠中に、子供の教育方針についてきちんと話し合えることがベストですが、もう子供が大きくなってしまっていても「話し合う」ことは決して遅い事ではないと思います。
協力体制が整わないと長続きしません。
私達はパートナーの方が「疎外感」を感じない配慮をする必要があり、そこを怠り「日本人なんだから日本語を教えたいのは当たりまえ」という態度でいると後々問題になります。
国際結婚の難しい部分ではありますが、早めに話し合っておきましょう
生後半年から子供チャレンジ受講

本読み・おもちゃは全てこどもちゃれんじ一択。
- 海外に住んでいると日本語の本を選ぶ選択肢すらない
- 頼まれる親・友人もどんな本を選んでいいかわからない
- 親の好みでかたよった本を選んでしまう
- 年齢にあった日本語をしゃべるおもちゃを選ぶのは困難
上記の悩みが全くなく、最初からこどもちゃれんじにしてよかったです。
現在まで受講している感想を記事にしていますのでよかったらどうぞ→こどもちゃれんじ海外受講レビュー
悩んで解決できる時間的・精神的余裕があるうちはいいですが、そのうち「仕事復帰・第2子妊娠・2人3人育児」と親側の生活環境もどんどん変わっていきます。
悩みが解決しないままおざなりになる中、子供はどんどん成長してしまいます。忙しい中「先に先に」見逃してはいけないアドバイスをくれたこどもちゃれんじは受講してよかったことしかありません。
結論→現在も継続受講中!娘達大好きです。
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予想される問題点

特に3歳頃までは会話自体がまともに成り立たない中、
「英語の方が会話が成り立つのでつい簡単な英単語を使ってしまったら、そのまま子供が英語で話しかけてくるようになってしまった」というお母様が非常に多いです。
お母さんの使う言葉の影響力は私達が思う以上に大きいです。注意しましょう。
現在の娘達の日本語使用度ー家では100%日本語
長女は8歳。私に英語で話しかけてくることはありません。
- 娘達と英語で会話をしたこと自体記憶にないです。
- 姉妹2人で遊ぶ時も日本語です。
- 英語を話すお友達が会話に入っても「姉妹2人の会話」は日本語
それくらい彼女たちの中で「日本語を話すこと」はとても自然な事なんです。
バンクーバーやNYの様に大都市で日本人の方もたくさんいて、コミュニティが充実している訳ではない、カナダの田舎でも今現在なんとか日本語を保持しています。
予想される問題点
小学校に入ってからの言語吸収力はすごい。今は英語にどんどん押されて日本語:英語=5:5。決して日本語が衰えたとは思いませんが、英語の上昇率が凄まじい。
ここからさらに真剣に日本語教育に取り組まなくてはと感じ始めています。

まだまだ継続中の日本語教育。コロナ休校中は「逆に日本語を徹底するチャンスだ」くらいにとらえて頑張っています。
年齢別で徹底したこと
子供の成長に合わせ私がしてきたことです。
私も母親歴8年でまだまだ試行錯誤中。「私のやり方で成功した!」なんて言うつもりは全くありません。温かい目で読んでくださるとうれしいです。
親がやるべきルーティーン
1歳を過ぎて仕事復帰をする方はデイケアに入れる必要があり、一気に英語環境になります。それでも努力次第では
- 「母親とは日本語で会話をすること」
- 「日本語教材をできるだけ取り入れること」
- 「毎日の日本語での本読みは習慣化させること」は可能だと思っています。
そして繰り返しになりますがやはりパートナーの理解がないと難しいです。
私は妊娠中に「日本語教育をできるところまで頑張りたい」と相談しました。その結果「デイケアには預けず幼稚園入学まではフルタイムで仕事復帰はしない」とまで決めたので後々もめることはありませんでした。
また私がどれだけ真剣に日本語教育を考えているか理解してくれているので、生活の中で「日本語教育」が常に最優先事項にあります。子供が楽しんでいる姿を見ると、更にこの意識は高まります。
教育方針を話し合わず、日本語学習を当たり前のように進める事でパートナーの方が「自分には関係ない」と感じる事が一番よくないことです。
アドバイス
娘の同級生で、妊娠中からご主人が日本語を勉強し始めて「パパと一緒に日本語勉強」に取り組んでいるご夫婦もいます。趣味の一つとして、パートナーの方に言語取得をもちかけるのもいいかもしれません。
子供と2人で同じことを勉強できるなんて素敵です。お互いにモチベーションが上がってとてもいいですね。
日本語教育を続ける理由
別記事でも書きましたが、将来日本語能力試験を受けさせたい!とか日本で就職してほしい!なんて思っていません。
母国語が英語になることも十分承知しています。
ただ、親が管理できる間はできるだけ管理してあげたい。これから思春期、反抗期と日本語を嫌がる時期も来ると思いますが「また勉強をしたい」と思った時にその選択肢が残っている状態にしてあげたいなと考えています。
ありがたいことに「日本語を話せるなんてかっこいい」「日本に行ったことあるの?すごい!」と言われる機会は小学校に入るととても多くなります。
その逆にハーフあるあるですが「日本の〇〇知ってる?」「〇〇できる?」と日本=私のような扱いを受ける事も多々あります。それを既に否定的にとらえているお子さんがいる事も事実です。
ハーフであるがゆえに彼女たちが感じるマイナス面も考慮していく必要があり、日本を「身近な物」「プラスに感じるもの」と捉え、生きていく自信に繋がったらなという思いで日本語教育を続けています。
それぞれのご家庭のそれぞれの教育方針がありますので、決して「日本語教育選択をしなかった方々が悪い」という意味ではありません。「敢えて」日本語を教えなかった親御さんもたくさんいます。ご了承ください。
